ナース不足を解消する手立て

近年において、日本は超高齢化社会と呼ばれ、医療現場ではナースの需要が年々高まっています。
ナースは9割が女性を占めるという特殊な職業です。
そのため、20代後半から30代にかけて、大勢の人が結婚や妊娠、出産の影響を受けやすくなります。

特に結婚後に一旦ナースを辞めざるをえなくなる女性は多く、そこから復職するケースは少なくなっています。
実際、ナースの免許を持ちながらナースとして働いていない潜在看護師の数は、全国で70万人に上るといわれています。
ナースの需要が高まっている今、これは由々しき事態といえるでしょう。

特に子どもが産まれた場合、昼夜を問わず交代制の勤務を続けることは難しいものです。
託児所が見つからなければ、退職を余儀なくされることもあります。
さらに都市部では、待機児童問題が目立っており、働きたい思いはあっても、働き続けられない女性がたくさんいるのです。

ナース不足は、医療機関側にとっても大きな問題です。
ナースがいなければ、患者さんのケアの質の低下につながり、迅速に治療が進まず現場が混乱し、さらにケアの質の低下につながり…と悪循環を引き起こしてしまいます。
このような状況を改善するためには、ナースの生活を守り、ワークライフバランスを維持できる勤務形態を用意することが重要です。
生活に合わせて働ける環境ができれば、潜在看護師の方もナースの現場に復帰してくるようになるかもしれません。
人材の確保は、よりよい医療に欠かせない要素です。
超高齢化社会に対応するためにも、早急に環境改善の対策を講じなければなりません。

医療は生きるすべての人に不可欠な機関です。
国民の安心した生活を支えるという意味でも、日本全体で動く必要があります。
国や自治体、医療関連の協会を巻き込んだ組織的な形で改善策を出し、積極的に導入していくことが大事といえるでしょう。